予稿集

時間とクロマが循環する音楽をトーラス面上で制作するシステム

概要

楽譜やピアノロールは時間と音高が直交する二次元ユークリッド空間であり,それらの循環構造を生かした音楽が存在する.クロマはオクターブの中で分類される音の相対的な位置を表し,音高が1オクターブ変化するごとにクロマが循環する.また,短い旋律をループさせる,時間的な循環を主体としたミニマルミュージックという音楽形態が存在する.本研究では,旋律とクロマの循環を効果的に表現した記譜法を提案することで,新たな音楽表現を生み出すことを目的とする.そこで,トーラス面とシェパードトーンを利用し,旋律とクロマが循環する楽曲制作システムを試作した.トーラスの構造を利用することで,循環するクロマと時間を縦方向と横方向に表現して楽曲を制作することが可能となった.またシェパードトーンを用いることで,12 音で無限音階をはじめとしたオクターブ間の上昇や下降を含む楽曲の制作を可能にした.本稿では,このシステムがもたらす楽曲制作における新たな表現の可能性について考察する.

書誌情報

書誌名

第30回インタラクティブシステムとソフトウェアに関するワークショップ(WISS2022)予稿集

ページ

1-3

発行日

2022/12/08

引用時の表記

湊祥輝,宮下芳明.時間とクロマが循環する音楽をトーラス面上で制作するシステム,第30回インタラクティブシステムとソフトウェアに関するワークショップ(WISS2022)予稿集,pp.1-3,2022.

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