概要
輝度を変化させた静止画の連続によって,一方向に無限に移動しているように知覚させる運動錯視が存在する.この運動錯視を用いることで,言語によらない直感的な選択を行えるようなUIのデザインが可能になる.一方,SSVEP ベースの BCI に向けたUIをデザインする際,一定周期で明滅を繰り返すフリッカ刺激をターゲットとして用いる.このような UI では,フリッカ以外のアニメーションを各ターゲットに付与できないため,リッチな UI のデザインが困難になる.そこで,輝度変化による運動錯視に注目した.この運動錯視は輝度を反転させるため,一定周期をもつフリッカ刺激とみなすことができる.そのため,SSVEP ベースの BCI 向け UI に導入することができれば,UI デザインの質を高めることが可能になる.本研究では,輝度変化による運動錯視を BCI 向けのUIに導入した場合,UI としての機能性を保証することができるか調査した.実験では異なる周波数を持つ運動刺激に対する識別精度を測定し,その結果,最大で 80% 以上の精度で識別可能であることがわかった.
書誌情報
書誌名
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻
2023-HCI-201
号
12
ページ
1 - 8
発行日
2023/01/09
キーワード
SSVEP / 運動錯視
引用時の表記
振原知希,宮下芳明.輝度変化による運動錯視を用いたSSVEPベースBCI,研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI),Vol.2023-HCI-201,Issue.12,pp.1 - 8,2023.