概要
GUI上では,ナビゲーションバーのようにクリック可能領域の大きさ(Motor Width)とディスプレイ上に表示される見た目の大きさ(Visual Width)が異なるターゲットが存在する.そのようなインタフェースでは,カーソルがアイテムにのってからアイテムがハイライトされるまで,ユーザはMotor Widthを正確に認識できないことがある.そのため,必要以上に慎重に操作したり,すでにクリック可能であるにもかかわらず無駄にカーソルを動かしてしまうことが考えられる.本研究の実験では,Motor WidthとVisual Widthに差があり,かつターゲットと非ターゲットが存在する状況でポインティングを行う.実験の結果,操作時間はMotor Widthに強く依存し,Motor WidthとVisual Widthの差によってわずかに操作時間が増加することが分かった.また,実験結果を元に,Motor WidthとVisual Widthの差を考慮したポインティングのモデルを構築し,高精度に操作時間を予測できることを示した.そして,実験結果と提案モデルを元に既存のナビゲーションバーの改善を提案した.
書誌情報
書誌名
情報処理学会論文誌
巻
62
号
2
ページ
585-593
発行日
2021/02/15
ISSN
1882-7764
引用時の表記
薄羽大樹,山中祥太,宮下芳明.Motor WidthとVisual Widthの差を考慮したポインティングのモデル化,情報処理学会論文誌,Vol.62,Issue.2,pp.585-593,2021.